基底細胞がん|大阪皮膚のできものと粉瘤クリニック古林形成外科難波院

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基底細胞がん

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基底細胞がん(Basal Cell Carcinoma : BCC)のポイント

  • 皮膚がんの中で最も多いがん
  • ほくろの様で見た目が少し違う
  • 転移しにくい
  • 治療は外科手術
  • 切除後も再発に注意

基底細胞がんとは

表皮の基底細胞や毛包を構成する細胞から発病する皮膚がんです。皮膚がんの中で最も発生が多く、高齢になるにつれて多くなります。顔面によくできますが、その中でも鼻が多くなります。
ほくろに似ていますが、よく見ると色がまばらだったり、少し青黒く、光沢のある腫瘍です。最初小さなものが徐々に大きくなり、中央が潰瘍化している場合もあります。隆起していることが多いですが、隆起していないものもあり、色合いも様々あり、判断が難しいものもあります。放置するとどんどん大きくなり正常組織が破壊されるため、早期治療が大事になります。しかし、転移することは稀なため、再発に注意しながら日帰り手術で対応することが多い腫瘍にはなります。切除した場合に大きく顔の変形をきたすような場合には入院での手術が必要になります。

基底細胞がんの種類

結節潰瘍型

日本人では最も多いタイプで、80%はこのタイプになります。
最初の見た目はほくろと変わりませんが、徐々に大きく隆起してきます。一部潰瘍になり出血することがあります。

表在型

全体的に隆起がなく、まだら色に広がっており、正常な皮膚との境界があります。最初の見た目はシミのように見えることがあります。

斑状強皮症型

表面に蝋状の光沢があり、毛細血管の拡張を伴い、境界不明瞭。
皮膚表面から深くに浸潤するため、再発もしやすいため、手術の際には他のタイプの腫瘍より大きめに切除する必要があります。

基底細胞がんの割合

日本人では0.002%から0.004%と基本的には稀な腫瘍となります。
但し、白人の場合は紫外線の影響を受けやすく、オーストラリアの基底細胞がん患者は約1%もいます。

基底細胞がんの原因

はっきりした原因はわかっていません。紫外線、放射線、外傷、やけどなどが関係すると言われています。

基底細胞がんの検査

ダーモスコープを使用することがあります。
pigment networkが認められる場合は悪性黒色腫や色素細胞母斑などのメラノサイト系腫瘍を考えます。

Pigment networkが認められない場合

  1. ulceration(潰瘍化)
  2. large blue-gray ovoid nests(灰青色類円形大型胞巣)
  3. multiple blue-gray globules(多発灰青色小球)
  4. multiple leaf-like areas(多発葉状領域)
  5. spoke wheel areas(車軸状領域)
  6. arborizing vessels(樹枝状血管)

これらの所見が一つでも認められた場合は基底細胞がんの確率は90%以上となります。

診断が難しいこともあるため、生検にて診断する場合もあります。
基底細胞がんは原則として転移しないため、一部生検を行っても悪化する危険性はないですが、メラノーマの場合には転移してしまう可能性があるため、生検は注意が必要です。

基底細胞がんの治療

外科的手術による治療

外科的手術による治療が推奨されています。通常病変辺縁より3~5mm離して切除します。外科手術は放射線療法、凍結療法、電気掻爬などに比べ再発率が低いことが分かっています。

頭頸部4cm以下の基底細胞がんでは外科的切除と放射線療法を比較した場合に、4年後の再発率は外科的切除が0.7%であるのに対して放射線療法では7.5%でした。整容面でも外科的切除は優れています。放射線療法では正常な組織にダメージがあり、照射部位の潰瘍化などが起こり得ます。

欧米ではMohs(モーズ)手術が最も基底細胞がんの再発率を下げる治療として推奨されていますが、日本でのMohs(モーズ)手術はほとんど実施されていません。一部の発表では一般的な外科的切除とMohs(モーズ)手術で初回治療においては再発率に有意差がみられなかったとする報告もあります。設備の問題や欧米に比べて件数の少ない日本では外科的切除が第一選択となります。

外科的手術の際のマージン切除(腫瘍から何ミリ離して切除するか)は非常に大事になります。
欧米を中心としたデータによると

  • 低リスクの基底細胞がんは4mmの切除マージン
  • 高リスクの基底細胞がんは5~10mmの切除マージン

が推奨されています。
データでは2cm以下の境界明瞭な基底細胞がんにでは切除マージン3mmで85%の症例で腫瘍の残存はなく、4~5mmマージンで95%の症例で完全切除が可能となっています。但し、これらのほとんどが欧米のデータになるため、発生の少ない日本人では切除マージンが2~3mmでもよいとも言われています。

放射線治療による治療

放射線治療は高齢者や切除が困難な部位での発生例で使用しますが外科的手術にくらべ根治性は劣ります。

化学療法による治療

化学療法は、手術不可能な進行例に使用することがありますが基本的には行われません。

外科的手術の治療例

下腹部の基底細胞がん

下腹部の基底細胞がん写真
下腹部の基底細胞がん写真

下腹部の基底細胞がん(約1cm)。4mmマージンで拡大切除。皮膚に余裕があるため単純縫合し、閉創。

鼻の基底細胞がん BCC

手術前写真
手術前写真

手術後写真
手術後写真

腫瘍より3mmマージンで切除し、皮弁作成(bilobed flap)し、腫瘍を覆っています。
鼻の皮膚欠損は単純に縫合すると鼻の変形をきたすため形成外科が得意とする皮弁を作成し、創部を閉じます。最初は少しゆがみがありますが、だんだん馴染んできます。

鼻根部の基地細胞がん BCC

手術前写真
手術前写真
手術後写真
手術後写真
術後半年写真
術後半年写真
術後半年写真

腫瘍より2mm離して腫瘍摘出術を施行。皮弁作成(Rhomboid flap)により創部を覆っています。
こちらも腫瘍を摘出後に単純縫合してしまうと歪みが強く出るため、皮弁作成をおこなっています。それでも少し歪みはでますが改善していきます。

治療後の経過について

基底細胞がんの治療後の経過観察法に関して、その頻度や期間に明確なエビデンスのあるデータはありませんが、一般的に、術後6カ月ごとに診察を行い、その後の2~3年間は1年ごとに経過観察を行います。
また基底細胞がんが発生したことがある患者は他の皮膚がんや別の基底細胞がんが生じるリスクが高くなります。欧米人のデータですが基底細胞がんを発症した患者の約20%が1年以内に新たな基底細胞がんを発症し、40%が5年以内に新たな基底細胞がんを発症しています。また基底細胞がんの治療後に有棘細胞がんを発症するリスクは5~10%、メラノーマを発症するリスクは約2~4倍となっています。複数の基底細胞がんを発症した患者はさらにリスクが上がります。
また基底細胞がんは前述したとおり、転移しにくい腫瘍のため、一般的にはCTやMRIなどの転移検索は不要となります。早期に病変を発見することで確実な治療が行うことが出来るため、気になった場合には早目の受診をお勧め致します。

参考文献

皮膚悪性腫瘍ガイドライン第3版 基底細胞癌ガイドライン2021

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